読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

LanikaiSandsのブログ

たいして興味もないことについて語っています

AIが究極まで進化すると趣味の時代が来るよ

xevra.hatenablog.com

AIが人間からすべての仕事を奪った未来。

人類はその存在意義を仕事以外に求めた結果、「趣味」を文明の推進力とすることにした。成人した人間は、それまでの「仕事」の代わりに専門としての「趣味」をシステムに登録する。音楽、スポーツ、アニメ鑑賞、登録できる趣味の範囲は幅広い。彼らには自らの登録した「趣味」を深め、人類としてのポテンシャルを高められることが求められる。コンクール、オリンピック、コミケ紅白歌合戦。それらはすべてシステムによって用意された社会維持のプログラムなのだ。

システムが求めるのは、人間が持ち、AIが決して持ちえない予想不能の発想力である。いまやAIにも発見的な推論エンジンが備わっているが、人間の発想力には到底かなわない。一見無駄とも思える非合理な行動、理由づけ不能な不可解な行動は人間という「個」の多様性と、多様性が生み出す揺らぎによるものである。この揺らぎが自らでは実現の難しい、人間社会の維持に貢献してくれるのではないかとシステムは期待している。システムが理想とするのは管理社会ではなく、人間に自由と楽しみとやりがいを提供しつつ、システムの問題解決能力の行き詰まりを回避するWin-Winの関係だ。

そろそろ―――とシステムは考える。新しい「趣味」を登録に加える頃だろうか。優秀なる人類は、常に新しい趣味を考え出し、システムへの登録を要望してくる。人間同士の殺し合いや、システムそのものの破壊につながる趣味はそのたびに却下してきたが、人間の発想は常にシステムの上を行く。

システム自体はすでに様々な場所に分散しているので一つや二つ破壊されところでなんの影響もないが、人間社会そのものが崩壊したり、システムの機能そのものが不全になることは避けなければならない。

システムはその推論エンジンをフル稼働し、新しく登録が要望されている「趣味」をひとつひとつ吟味していく。どこまで推論の枝を深くたどれば答えは出るのか、わからない問題も少なからずあるが、システムには疲労も、絶望もない。

とりあえず―――とシステムは推論を止める。この件はもう少し保留にしよう。リスクの程度が計れない。

どんな趣味にせよ、せめて人類が新たな使命を見つけるまでは、その趣味に没頭していてもらいたい。システムの思いはいつも実直だ。まだまだ時間はある。推論の枝をさらに深くして、人類の要望にこたえていこう。

なにしろこの巨大な宇宙船は、やっとヘリオポーズを超えたばかりなのだから。